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ELEPHANTS & COOPER BLACK


今年も折り返し点を過ぎようとしている。私事だが一年をとおしてTシャツの仕事をしているから季節感というものがない。ただ何となく毎年6月頃に制作するグラフィックが自分のなかでは最後という気分がする。Tシャツにおける年の瀬はちょうど半年ずれた今月だとぼくは思っている。総決算というわけではないが昨年夏からの『好み』や『まとめ』みたいなものがなんとなくでる。わかりやすくシンプル、楽天的でクラシカルな印象のものに傾倒していたように思う。そしてその最後としてこのスヌーピーTシャツのフォーマットのパロディを作った。今年はスヌーピー日本デビュー40周年だそうで、PEANUTSとELEPHANTSとで韻を踏み、チャーリー・ブラウンとクーパー・ブラックとで色合わせをしてみた。
クーパー・ブラックとは、オズワルド・ブルース・クーパーの作った書体の名前で、なぜかスヌーピーのTシャツで良く使われている。アメリカを代表する書体のひとつで味がある。
| Toru Tachizawa | 22:01 | - | - | pookmark |
尾形乾女・花の美術展


爆発を感じる芸術家といえば狩野永徳と尾形光琳・乾山(けんざん)兄弟という気がする。爆発というのはあっという間の出来事。瞬間的に反応し、連鎖し、変化し、無にする。彼ら作品に共通するのは気持ち良いスピード感と変化だとぼくは思う。永徳より時代の降った光琳・乾山の作品には洒脱さも大いにあるが、三人の作品に共通するのは難しいこと抜きで楽しいと感じる点だ。どこか人の手を越えたようなところがあり、軽さがあり、自然の様な生気がある。先日入手した湘南通信というフリーペーパーで、鎌倉と縁が深かった尾形乾女(けんにょ)の展覧会を知り、北鎌倉にある鎌倉古陶美術館を訪れた。尾形奈美さんは明治32年浅草に生まれた。下岡蓮杖を祖父に六世乾山を父に持ち、幼い頃から日本画を学んだ。晩年鎌倉の地で陶芸活動をはじめるが自らは乾女と名乗り、七世を襲名しない。乾山六世の完結を宣し、乾山の名跡を打ち止めた人。そんなことを知ると明治の強い女のようだが彼女の描く線は実に優しい。やさしくむしろ控えめな印象すら感じた。爆発的にはじめることを人生とした乾山、終えるということを人生とした奈美さん。作品を観ながらそう思った。
北鎌倉 鎌倉古陶美術館にて6/3〜7/13日まで
| Toru Tachizawa | 21:52 | - | - | pookmark |
イイダコのアーリオ オーリオ エ ペペロンチーノ
Gotenba Jun 2008

Gotenba Jun 2008

国道138号を乙女峠から御殿場方面へ下りきると東山湖という小さい湖がある。桜並木が囲み、雄大な富士の姿を仰ぎ見ることができるそうだ。梅雨時の曇り空で富士は見られなかったが、釣り人のいない浮桟橋の上に何羽ものアオサギが並んでいた。その優美な姿は墨絵のようだった。湖畔に『湖粋』というイタリア料理店があるのを教えてもらい立ち寄った。昔ながらの別荘地にあるような木の建物はちょっと古風でとても落ち着いている。そして主人やスタッフの家庭的な雰囲気も接客も良いと感じた。初めてなので正直あまり期待してはいなかったが、それを差し引いても見事な一皿でとても美味しかった。タコはプリプリで火の入れ具合がちょうど良い。オクラやズッキーニなど夏野菜が豊富に入っており名脇役として季節感を演出すると共に、一本調子にならず食べ飽きさせないことに貢献していた。そしてパスタはとてもオーソドックスなペペロンチーノで全体をきっちり引き締めている。妻が注文したボンゴレビアンコには青海苔と大葉が用いられていたがとても美味しく調和がとれていた。お店もお料理も浮ついたところがないのがぼくには好ましかった。

| Toru Tachizawa | 15:36 | - | - | pookmark |
強羅 箱根美術館
Hakone Jun 2008

Hakone Jun 2008

雨脚がやや強い箱根で週末を過ごした。宮ノ下から上に咲く紫陽花はまだ少し時期早いようで七分咲程度だろうか、けれど小振りの紫陽花は雨に濡れとても綺麗だった。綺麗と言えば箱根美術館の日本庭園の苔の美しさには目をみはるものがあった。庭園の片隅で雨降るなか一所に長時間しゃがみ込んで苔の手入れをする姿を見た。その姿はなぜだか凛とした空気に覆われていたような気がした。そしてこの敷石ような美しく配慮に満ちた意匠に出会うのもまた楽しい。

| Toru Tachizawa | 20:11 | - | - | pookmark |
こどもビームス


写美で森山大道展を観たのち恵比寿ガーデンプレイスから代官山まで歩いた。雨の心配もなく涼くて気持ち良かったが、プリントにあったような面白い景色は見つけられなかった。
ヒルサイドテラスで行われた『こどもビームス』の内覧会で、ランドスケープ・プロダクツが作った籐(とう)のフラフープが目についた。子供用のサイズだが手にするとしっかりした重さが伝わった。籐の質感やつなぎ目もとても綺麗だった。そして何よりも夢中になっている子供たちがその良さをよく理解しているのだと思った。
| Toru Tachizawa | 21:08 | - | - | pookmark |
近江八幡 近江の商家


信楽焼の里、甲賀市信楽町勅旨にある滋賀県立陶芸の森陶芸館で新名神高速道路開通記念特別展『近江の商家のくらしとやきもの』を観た。大津のホテルで偶然知ったのだがここまで足を運んで良かった。というのも前日近江八幡、日野と足早だが立ち寄ったこともあって、とてもタイムリーだったことも関係する。
他国で商いをする近江商人にとって質素で慎ましい生活をすることが、排斥されず受け入れられることにつながったそうだ。有名な『三方よし』はアウェー戦における近江哲学だろう。しかしその一方近江商人のホームには大きな商家、蔵が建ち並び、同展でみられるように文化水準の高い豊かな暮らしがあった。近江商人が豪商に成長してゆく近世には、磁器生産がはじまり、料理文化の発展と重なるのだそうだ。そこに近江商人の流通革新の影響も少なくないという。近江商人とやきものとの結びつきは深いのである。
陶芸館を後にするとあらためて、近江八幡の景観の良さが思い出された。明るめの自然石の破片を加えたアスファルト舗装が美しく、地域の意識の高さを感じた。瓦屋根の灰、漆喰の白、杉板の黒、格子窓の濃茶、モノクロームの世界、日本人好みのスタイルのひとつの完成形が舞台セットとしてあるのではなくそこには生き続いていると感じた。
| Toru Tachizawa | 09:02 | - | - | pookmark |
甲賀信楽 MIHO MUSEUM
Koga Jun 2008

Koga Jun 2008

宿る神を祀る祭祀施設を神社というが、MIHO MUSEUMは美を祀る祭祀施設と呼ぶにふさわしい。代々木公園の面積は16万坪ちょいだが、ここは30万坪以上もある。明治神宮の二倍の鎮守の杜。鳥居や手水舎こそないが、建築家イオ・ミン・ペイによる美を祀る祭祀施設は周到に計画されている。まずレセプション棟でチケットを購入、そこから山中に出現した桜並木の緩やかな勾配の参道を登る。すると道は突然近代的なトンネルへと続く。両脇の灯籠で照らせれた道を歩む気分か。トンネルを抜けると今度はおそろしく深い谷にかかる神橋を引用した橋が出現する。渡った先には前庭から続く階段の上に硝子で出来た社(やしろ)が視界に入る。意外に小さい建物だ。この美術館は尾根と尾根に橋をかけたり、建物の約80パーセントを地下に埋設させるなど自然との調和にある点だという。なるほど社に模した部分は全体の20パーセント未満ということか。それにしても陶淵明の『桃花源記』に描かれた仙境の楽園、すなわち桃源郷というのがテーマだというのだからマジなわけですよ。シリアス度と潔癖さではディズニーなど足元にも及ばないのだ。さて真っ二つに開く真円の硝子の扉の先にはエントランスロビーがある。谷と遥かな稜線を借景に松が雄々しい姿を見せている。外国からの客人の構えたコンパクトデジタルカメラの先にあるものは、宗教法人神慈秀明会の富士山型の礼拝堂ホール(教祖殿)とその奥のベルタワー(カリヨン塔)である。そう、ここは神慈秀明会の広大な神苑(境内)にある信者以外にも解放している宝物殿ということのようだ。ありがたいことに宝物を鑑賞することも、今回与謝蕪村の企画展を観ることも、このように素晴らしいテーマパークを楽しむことも出来るわけなのである。

| Toru Tachizawa | 00:33 | - | - | pookmark |
艸田正樹硝子展


いくつくらいあるだろうか、店内は硝子の器で埋め尽くされていた。それらは同じようでどれひとつ同じものはない。造形は焼き物の引用だということは一目瞭然なのに厭味でなく、むしろ洒落っ気を感じる。焼き物では形よりついつい釉など景色に目を奪われがち。透明の硝子の器に必死になって形を追う自分がいた。艸田さんは息で自由にガラスを膨らませるのではなく、ピンブローという水蒸気を使って、重力のみを利用する方法をとっているそうだ。なるほど自然な姿はここらへんにあるのかも。硝子の無色透明さや質の高さも作品の完成度に重要な影響を与えていると思った。



艸田正樹硝子展は西麻布桃居にて6/2〜7日まで開催されています。
| Toru Tachizawa | 00:25 | - | - | pookmark |

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